アメコミの本の方に興味を持ち始めたのは、MCUがきっかけだった。
MCUにハマりすぎていた頃、最新作を見る度に次回作が楽しみで仕方なかった。
予告公開を毎日待っていた。
その情熱の向かった先は、まずMCUを何回も見直すこと。
セリフをある程度覚えてくるので、半分脳内でアテレコしながら見ていた。
ある時街を歩いていると、急にどこかのシーンの誰かのセリフがパッと脳裏によぎることがあった。
これどの作品にでてきたセリフだっけ?
大体の当たりをつけながらまた映画を見直した。
しかし、同じ映画を繰り返し見るのにも限界はあった。
新しさを欲し始めた脳は、反芻から抜け出したがっていた。
たどり着いたのはアメコミの邦訳本だった。
軽く調べただけでもかなりの数がある。
これなら次回作公開までの時間も潰せそうだ。
これが始まりだった。
まず最初に買ったのは「アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォー」だった。
アメコミ好きの友人の家で少し見せてもらったことがあり、印象に残っていたからだ。
読む順番とかはあまり気にしなかった。
この本はかなり読みやすかった。
左から読むという教科書みたいな形式には慣れなかったが、
内容は割とすんなり入ってきた。
厳密に言うと、内容はあまり理解はできないのだが、話の展開が早いのでページが進むタイプだった。
これは面白い!
そう思い、関連書籍というか、大元の話である、「シビル・ウォー」だった。
だが、これがとにかく読みにくかったのを覚えている。
その後もいくつか読んでみたが、全部似たような感想を抱いた。
では一体何がそう感じさせていたのか?
まず、左から読むという形式。
これは非常に小さかったが確実にストレスだった。
新しい物に対して、脳が少し嫌がる。
慣れで克服した。
次に、よく理解できないストーリー。
何故理解できないのか。これはいくつもの要因があると思う。
まず、用語、キャラがまず分からないし、頭に入ってこないからだと思う。
そしてそれがとにかく多い。
更に、ストーリーの始まりも、本当の意味での始まりでは無いというのがある。
アメコミの邦訳本は、
沢山出てる原作コミックの中から区切りのいいところや、
話の繋がっているところだけを綺麗に抜き出して、
順番を分かりやすく入れ替えて構成されていることが多い。
つまり、ずーっと続いてる中の一部を切り取ってるわけなので、当然邦訳本として出されてる前にもストーリーがあり、
作品中起きた出来事や、キャラ同士の関係も、邦訳本の1ページ目より前から構築されたものから続いているものである。
故にいちいちセリフでえ?なんのこと?となってしまう。
今までずっと読んできた人なら「あ~あのときのことを皮肉ってるのか~」とか、
「分かるからこそのおもしろさ」が働き、より面白く感じれるはずのシーンが、
初めて触れる人にとってはとっつきにくい要因になってしまう。
上記のような問題、当然出版社側も把握済である。
その解決のために解説小冊子を付けてくれている。
会社や翻訳者によるが、かなり詳細まで解説してくれているものもある。
特に、ヴィレッジブックスの解説書はそこまでやるかと言うほどに、かなり詳細まで解説してくれている。
(Wikipediaでは得られない情報量・質であり、非常に重宝する。)
だが、ストーリーに入り込めるかどうか、というところとはまた別の問題なのだ。
話を理解しながら邦訳本を読もうとすると以下のようになる。
本を読む→途中でよくわからないシーン・セリフ登場→解説読む→読書再開
これだと、全く本を読んでいる、ストーリーに入り込んでいる、という感じがしないのだ。
かといって、コミックのページ内に解説を書くわけにもいかないし・・・。
現状、ストーリーを補完する最善の手は解説書しかないのだろう。
つまり、ストーリーに入り込んでどんどん次のページ読みたい!状態になるにはある程度の知識が要ることになる。だがその知識が最初は無いのだ、という状態。
「MCUが好き」という入口から入った者への洗礼。
映画のように順々に少しずつのキャラが合流していくのではなく、
邦訳本スタートの時点で大体の場合はかなりの数の知らないキャラが集結しているところから始まることだろう。
私もはじめの頃は読むのにかなり時間がかかった。
今もそれなりにかかっているが、キャラを覚えて来たので前よりは早くなってる。
結論として、どうすればアメコミは読むのが早くなっていくのか、自分の中で消化しやすくなっていくのか、より楽しめるようになっていくのかを考えたい。
大まかには以下。
・話を理解しようとしすぎない
・解説をあとから読んでみる
・キャラはゆっくり把握していく
・話を理解しようとしすぎない
そのままである。分からないときは飛ばす。とにかく先に進んでみる。
意外とそこは理解しなくても作品は楽しめたりする。
あくまでも邦訳なので、日本人的にはスッと入ってこない日本語訳だったりすることもある。
もう難解で楽しくない場合はもう読むのを諦めて良い。
もっと自分が好きになれる作品が必ずあるので、そちらを探して楽しむがいい。
で、色々読んだ後に急に、「あれ、難しくて積んでたけどあの作品読んでみたいかも」と思う瞬間が必ず来る。
その時に読んでみると、かなり楽しく読めると思う。(実体験)
私はハウス・オブ・Xがそうだった。
・解説をあとから読んでみる
とにかく分からないなりに一冊読み終えたあと、「あーよくわからないけどあのシーンかっこよかったな~」とか何かしらのポジティブな感想は持てると思う。
そのあとに解説書を読んでみる。
歴史とか概要とかは一旦飛ばしていい。
分からなかった単語解説・用語解説のページをまず見てみる。
すると、「へぇ~」となる。
そこには実はあのシーンの裏には自分の知っているキャラが関わっていたのか!とか、
面白い関連性を発見出来たりもする。
そして親切な邦訳書だと、キャラクター紹介もしてくれてたりする。
・キャラはゆっくり把握していく
一回何かしらの本を読んでみると、
なんか自分は知らないけどこのキャラ重要っぽい?or有名っぽい?
というのが朧げながら分かってくると思う。
そういったキャラはネットでかるーく調べてみる。
意外と情報が出てきてびっくりする。
このキャラを知ってる人はこの世にこんなにいっぱいいたんだという驚き。
一回調べるとなんとなく覚えていて、次に登場したときにあいつだ!!となる。
これが意外と楽しい。
あとは厄介なのはこの時期はこのヒーローの代わりをこのキャラがしていた・・・とか、だろうか。
意外とこういう情報はネットにはなく、実際に読んでいる人にしかわからなかったりする。
解説書ではしっかり拾ってくれているはずなので信じるしかない。
例えばデアデビルはアイアンフィストがやっていたり、エレクトラがやっていたり・・・。
スパイダーマンなんかアース超えたらもっといっぱいいる。
本当にややこしいが、そのややこしさが面白さだったりする部分もある。
まとめ
アメコミ原書を読んでいない、把握していない人でも楽しめるように作ってくれているのが邦訳本である。
ただ、それですら初めは読みにくく感じると思う。
だがそこで読みにくいから向いていない、と思わないでほしい。
ほとんどの人は躓く。
だから、理解できないまま一度最後までパラパラと読み進めてみてほしい。
少し高いなと思いながらも買ってみたその本は、きっと自分にとって惹かれる何かがあるはず。
邦訳アメコミを手に取ってくれる人が増えることを願って…。
そして邦訳アメコミが売れて自分が読みたいあの本やあの本の邦訳本が出版されますように。